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見積もりを数理モデルで自動化した話 & WordPressを卒業してLaravelで自社CMSを作った話

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> ※本記事は、株式会社coiai代表・服部陽良がお届けするポッドキャスト第25回の内容を、読みやすく再構成した書き起こしです。

こんにちは。株式会社coiai代表の服部陽良です。

coiaiは、ものづくりを軸にシステム開発やプロダクト開発を行っているIT企業です。この番組では、月に2回程度、創業者である私が「起業のリアル」を発信しています。

今回のメイントピックは2本立てです。

1本目は、うちの会社のWebサイトのコンテンツ管理を、**WordPressのREST APIから脱却して、Laravelを使った自社CMSに移行した**という話。個人事業主の頃から長年WordPressを使ってきた私が、なぜこのタイミングで切り替えたのか。皆さんにとって本当に切り替える必要があるのか、という話もします。

2本目は、**見積もりのために数理モデルを構築した**話です。見積もりには「勘と経験」みたいなところがあると思うのですが、それはお客様にとってあまり誠意ある形ではないなと思いまして。確率分布のシミュレーションによる数理モデルをAIと一緒に構築して、見積もりの際には必ずそれを走らせてから計算する、という運用にしています。

どちらもテック寄りの話ではあるのですが、後半の数理モデルの話は経営層の方にとっても意味のある話だと思うので、ぜひ楽しんで聞いていただけたら嬉しいです。

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## WordPress REST APIからLaravelに移行した話

### 個人事業主時代からの、WordPressとの長い付き合い

本当に一番初期、個人事業主でやっていた頃は、普通のWordPress本体だけでサイトを運用していました。テーマは自作テーマ、サーバーはロリポップという構成です。

次の段階は、法人化したタイミングくらいですね。PHPでテーマを書いていく作業があまり好きではなく、正直楽しくなかったので、やめました。代わりにどうしたかというと、**Reactでフロントエンドを自作して、バックエンドとしてWordPressのREST APIを使う**、いわゆるヘッドレス構成にしたんです。

なぜバックエンドにWordPressを残したかというと、**エディターがリッチだった**から。リッチなエディターを自作するのは当時は結構大変で、そこまで自作してバックエンドを用意するほどではないな、と判断していました。

ところが最近、海外の方と仕事をしたり、こちらから海外の展示会やフォーラムに出ていったりする中で、**英語のページをどんどん増やしたい**という需要が出てきました。それからSEOの観点でも、裏側でREST APIを動かす構成はあまりうまくいかない。

そこで今回、**Laravelでバックエンドを構築し、Cloudflareなども利用しつつ、WordPressとREST APIから完全に卒業しました**。

### デメリットは、もうないと思う

メリット・デメリットを一つずつお伝えすると——デメリットに関しては、**もうないと思いますね**。

バイブコーディングでいろいろ作れるようになった時代ですし、セキュリティチェックも、自分だと見落としてしまうような細かなところまでAIと一緒に考えていける。それに弊社には、インフラに強いエンジニアも参加してくれています。過去だったら「コストがかかりすぎる」というデメリットがあったのですが、今の技術水準なら、自社でCMSを持つのは全然悪くない。**エンジニアを抱えている企業であれば、我々と同じように自作CMSを裏側で動かすことは十分可能**だと思います。

### SEOとサーバーサイドジェネレーションの問題

WordPress REST APIには特有の問題がありました。うちはフロントエンドを支えるツールとしてNext.jsを使っていて、**サーバーサイドジェネレーション**——事前にページを静的に生成しておく仕組み——を使えばSEO的にはかなりいいのですが、ビルドのたびに記事データをWordPressにリクエストしなければいけないんですよね。

うちはもう**140記事以上**書いているので、それを毎回リクエストすると**WordPressが過負荷になって応答しなくなり、フロントのビルドが失敗する**、ということが起きていました。それをうまいこと解決しようと、いろいろごちゃごちゃやっていたのですが——「どうせなら自作でCMSを作っちゃおうか」となったのが、移行のきっかけの一つです。

自作CMSだと、サイトマップのようなSEOまわりも含めて、細かく調整できる。ここも良かった点です。

### Claudeで140記事が一気に英語になった

自作CMSの良い点として、**AIをどんどん使っていける**ことがあります。

冒頭でお話しした通り、うちは英語の記事が必要になってきました。固定ページに関しては、i18n系のReactライブラリで対応していたのですが、**ブログ記事はどうしても一つずつ翻訳していかないといけない**。そしてWordPressは、多言語化対応との相性があまり良くないんですよね。

自作CMSでは、ここをうまく仕組み化できました。今、**自社の記事は全部Claudeで翻訳をかけて、AIで全部英語の記事になっています**。いきなり140記事分の英語コンテンツが増えた、ということです。SEO的にも、海外からのお問い合わせ窓口としても、かなり大きいのではないかと思います。

### Filamentが良かった、セキュリティも自分の責任で持てる

CMS——コンテンツマネジメントシステム、要するにブログを投稿する管理画面ですね——を作っていく上で、UIを全部自社で用意するのは結構面倒ではあるんですよ。ただ、Laravelには**Filament**というライブラリが用意されていて、今回初めて使ったのですが、これがめちゃくちゃ良くて。管理画面がすごく綺麗にできました。

セキュリティ面もうまく構築できました。WordPressは広く普及しているツールだからこそ**攻撃の対象になりやすい**ですし、プラグイン側の脆弱性もあります。実は昔、私のサイトも攻撃にあって、データが若干飛んだことがあるんです。そういったところに対して、**全部こちらで責任を持って管理できる**のは、自社CMSのある種の強みだと思います。

そんな感じで、バックエンドの仕組みを全部自作に切り替えたのですが、**結構やってよかったな**というのが率直な感想です。

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## 見積もりのために数理モデルを構築した話

### 「仕様書通りに作る」から抜け出したかった

続いて2本目。こちらは最初の話と違って、エンジニア以外の方も興味を持ってくださるんじゃないかなと思います。

今までの見積もりは、要件定義をある程度して「これくらい時間がかかるな」と積み上げる形でした。ただ、そのやり方だと、仕様書を先方に送って、仕様書通りにものを作って——という流れになってしまう。**我々はアジャイル開発をやっていきたい**んです。仕様書ベースの開発は、正直ナンセンスだと思っているので。そういう前提で、見積もりをうまく出せないかとずっと考えていました。

そこで、**AIと一緒に数理モデルを構築して、プログラムを走らせたら自動で見積もりが出る仕組み**を作りました。どんなモデルを使っているのか、少しだけ紹介します。

### 使っているモデルたち

まず、めちゃくちゃ有名な**三点見積もり**。各タスクに対して**楽観値・最頻値・悲観値**の3つを設定します。「うまくいったら2日、たぶん3日、ハマったら6日」という感じですね。この3点から確率分布を作るのに、**beta-PERT**という分布を使っています。

これを支えるセカンドオピニオン的な存在として、**三角分布**も用意しています。楽観・最頻・悲観を頂点にした三角形の分布で、beta-PERTよりもう少し単純なのですが、**裾が広めで悲観寄りに出る**のが特徴です。

さらに**モンテカルロシミュレーション**。確率の計算を何回も何回も繰り返して、全体の分布を出す手法です。こうしたモデルを組み合わせて、自社でどれくらいのエンジニアが必要で、何人月動くのか、といった計算をしています。

### お客さんのSaaSが「何社で黒字になるか」まで計算する

価格決定について、もう一つ大事にしていることがあります。うちには「一緒にSaaSをやってくれませんか」「PoCで何か作りたいんですが」というご相談が結構来るんですね。そのとき感じるのが、**SaaSを運用していくことでかかるお金を理解していないお客さんが結構多い**、ということです。

単純に開発費だけだと思っている方が結構いらっしゃる。でも実際には、サーバー代もかかるし、保守していく人員も必要だし、マーケティングをしなければそのSaaSは誰にも使われないものになってしまう。

そして、ニッチな業界向けのSaaSであれば、**最大でどれくらいの人数が利用するか**は計算で出せるわけです。それに対していくら回収しないとこのサービスは黒字にならないのか。逆に言うと、**何社以上に使ってもらえれば赤字から黒字に変わるのか**。ここを現実の数字として出してあげないと、PoCをやって、いざSaaS化しますとなったときに「大赤字でした」となりかねない。

自分が関わったプロジェクトである以上、そういうことは絶対にやりたくない。**必ず黒字になるサービスを一緒に作っていきたい**んです。当たり前ですよね。売上1,000億円の会社に対して年間1億円しか売上が出ないSaaSです、となったら「コストをかけてやる意味あるのかな」となってしまいますし。

そういう意味でも、**弊社側の価格設定と、お客さん側がどういう価格設定でエンドユーザーに届ければ黒字になるのか、というところまで、このプログラムを動かせば一緒に出てくる**ようにしています。

これもほぼバイブコーディングで作ったのですが、実際にこれで見積もりを出して要件を整理してみると、**ほぼほぼハズレがない**。私が勘で作るより全然いいものになったので、本当にやってよかったなと思いました。

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## AI時代は「確認と判断」さえ速ければ、事業が高速で回る

今回は、ブログとホームページを刷新した話と、見積もりの方法を変えた話でした。

AIが出てきてから思うのは、**「大量に判断する」ことと結構相性がいい**ということです。逆に言うと、判断が遅れるとプルリクエスト(コードの変更提案)がめちゃくちゃ溜まる。実際、弊社でも新人の社員さんがプルリクをどんどん出してくれて、「今週だけで30個以上溜まってるよ、レビューしなきゃ」と大変なことになったりします。

でもこれ、**嬉しい悲鳴**なんですよね。今までだったら「全然進捗上がってないじゃん、どうなってるの」となっていたところが、こちらが**確認と判断さえすればいい**状態になっている。おかげで高速で事業を回せるようになってきて、やっとやりたかったことができるようになってきたな、と。結構楽しいです。

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## おわりに

今週もそろそろ終わりの時間になりました。

株式会社coiaiでは、**Web開発 / XR開発 / 基幹システム開発 / オンプレミスAIの導入支援**を行っています。

オンプレミスAI、めちゃめちゃいいですよ。ローカルで動くAIです。実際に今月、1社導入していただいた企業さんがいるのですが、**NASと組み合わせると本領を発揮する**——社内文書を検索して答えるRAGの機能が大本命です。それに「会社に1台、めちゃくちゃ強いコンピューターがある」というのが結構強い。サーバーとして使っているので、計算だけ投げる、みたいなこともできるんですよね。そういったものの導入支援を、弊社が全部やります。

他にも、**皆さんが想像できることは大体なんでもできます**。他社さんに断られた案件、見積もりが高すぎた案件、お見積もりは無料ですので、なんでもご連絡ください。

ということで、また次回。チャンネル登録して、次回も聞きに来てくだされば嬉しいです。ありがとうございました。
投稿日: 2026年9月29日
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