
製造業や販売の仕事をしていると、
「この商品の原価はいくら?」
「売価を確認してください」
「この売価だと利益が出ない」
といった言葉を耳にすることがあります。
仕事を始めたばかりの人は、
「原価と売価って何が違うの?」
と思うかもしれません。
どちらも商品の「金額」に関する言葉ですが、意味は大きく異なります。
この記事では、製造業や販売管理でよく使われる「原価」と「売価」について、初心者にも分かるように解説します。
原価とは、簡単に言うと、
商品や製品を用意するためにかかったお金
です。
例えば、商品Aを仕入れて販売する会社があるとします。
仕入先から商品Aを700円で仕入れました。
商品Aの仕入金額:700円
この700円が、原価を考えるうえでの基本になります。
一方、製造業では自社で製品を作ります。
例えば、製品Aを作るために、
材料:500円
加工:200円
かかったとします。
単純に考えると、
500円 + 200円 = 700円
製品Aを作るために700円かかっています。
このように、製品を作ったり商品を用意したりするためにかかった費用を原価と呼びます。
売価とは、簡単に言うと、
商品や製品をお客様に売る価格
です。
例えば、原価700円の商品Aを1,000円で販売するとします。
原価:700円
売価:1,000円
この1,000円が売価です。
つまり、
原価 = 商品を用意するためにかかった金額
売価 = お客様へ販売する金額
と考えると分かりやすいでしょう。
例えば、製品Aについて次のような金額だったとします。
原価:700円
売価:1,000円
会社は700円かけて製品を用意しています。
そして、その製品をお客様へ1,000円で販売します。
流れとしては、
700円かけて製品を用意
↓
1,000円で販売
となります。
原価と売価の差は300円です。
1,000円 - 700円 = 300円
この差額が、利益を考えるうえで重要になります。
利益とは、簡単に言うと、
売った金額から、かかった金額を引いたもの
です。
非常に単純な例では、
利益 = 売価 − 原価
と考えることができます。
例えば、
売価:1,000円
原価:700円
の場合、
1,000円 - 700円 = 300円
300円の利益です。
もし、
売価:700円
原価:700円
であれば、差額は0円です。
そして、
売価:600円
原価:700円
の場合は、
600円 - 700円 = -100円
となります。
100円の赤字です。
そのため、商品をいくらで売るのかを決めるときは、原価を知ることが重要です。
ここまでの説明では、
材料:500円
加工:200円
原価:700円
という単純な例を使いました。
しかし、実際の製造業の原価はもう少し複雑です。
製品を作るためには、材料以外にもさまざまなお金がかかります。
例えば、
などです。
例えば、製品Aを作るために、
材料費:500円
作業費:100円
外注加工費:50円
その他:50円
かかったとします。
この場合、
500円 + 100円 + 50円 + 50円
=
700円
という形で原価を考えます。
ただし、何を原価に含めるのかは会社や原価計算の方法によって異なります。
そのため、「原価」という言葉が出てきた場合は、
「この原価には何の費用が含まれているのか?」
を確認することが重要です。
製造業では、「原価」という言葉が一つの意味だけで使われるとは限りません。
例えば、
などがあります。
例えば、製品Aは通常700円程度で作れるとします。
標準原価:700円
しかし、実際に製造してみると材料価格が上がり、750円かかったとします。
実際原価:750円
この場合、
標準原価:700円
実際原価:750円
となります。
同じ製品でも、どの原価を見ているのかによって金額が違うことがあります。
そのため、仕事で「原価はいくら?」と聞かれた場合、
「どの原価ですか?」
という確認が必要になることもあります。
売価も、必ず一つとは限りません。
例えば、製品Aの通常価格が1,000円だったとします。
しかし、A社には1,000円で販売し、B社には900円で販売している場合があります。
A社への売価:1,000円
B社への売価:900円
大量に購入するお客様には安く販売することもあります。
長く取引しているお客様に特別な価格を設定することもあります。
そのため、製造業や卸売業では、
「誰に、何を、いくらで売るのか」
を管理する必要があります。
このようなお客様ごとの販売価格を、得意先別単価などとして管理することがあります。
例えば、
原価:700円
売価:1,000円
だったとします。
利益は300円です。
しかし、材料価格が上がり、原価が900円になりました。
原価:900円
売価:1,000円
この場合、
1,000円 - 900円 = 100円
利益は100円まで減ります。
さらに原価が1,100円になると、
売価:1,000円
原価:1,100円
100円の赤字です。
しかし、売価を変更していなければ、お客様から受け取る金額は1,000円のままです。
このように、原価の変化を把握しないと、知らないうちに利益が減っていることがあります。
そのため、製造業では原価管理が重要です。
売価の決め方は会社や商品によって異なります。
単純な考え方の一つとして、
原価
+
利益
=
売価
があります。
例えば、
原価:700円
欲しい利益:300円
であれば、
700円 + 300円 = 1,000円
売価を1,000円にします。
しかし、実際にはそれほど単純ではありません。
例えば、
なども考える必要があります。
原価が700円だから、必ず1,000円で売れるとは限りません。
そのため、
原価は「作る側の事情」
売価は「市場やお客様との関係」
によって決まる部分があると考えると分かりやすいでしょう。
原価や売価を見るときに注意したいのが、単位です。
例えば、
原価:10,000円
と書かれていても、
1個あたり10,000円なのかもしれません。
100個分で10,000円なのかもしれません。
1kgあたり10,000円なのかもしれません。
製造業では、
など、さまざまな単位を使います。
そのため、
「何単位あたりの金額なのか?」
を確認することが重要です。
原価とは、
商品や製品を用意するためにかかったお金
です。
売価とは、
商品や製品をお客様に売る価格
です。
例えば、
原価:700円
売価:1,000円
であれば、
1,000円 - 700円 = 300円
単純に考えると300円の利益があります。
つまり、
原価 = いくらかかったか
売価 = いくらで売るか
と考えると分かりやすいでしょう。
ただし、製造業では原価にもさまざまな種類があります。
売価も、お客様や取引条件によって異なる場合があります。
製造業の仕事で「原価」「売価」という言葉が出てきたら、
「どの原価を指しているのか?」
「誰に対する売価なのか?」
「何個・何kgあたりの金額なのか?」
を確認してみてください。
数字の意味が理解しやすくなります。
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