
製造業や販売管理の仕事をしていると、
「この商品は取り置きです」
「A社向けに取り置きしておいて」
「その在庫は取り置き分なので使えません」
といった言葉を耳にすることがあります。
製造業に入ったばかりの人は、
「取り置きってどういう意味?」
と思うかもしれません。
日常生活でも「商品を取り置きする」という言葉は使われます。
製造業や在庫管理で使われる取り置きも、基本的な考え方は同じです。
この記事では、製造業や販売管理で使われる「取り置き」について、初心者にも分かるように解説します。
取り置きとは、簡単に言うと、
在庫を、特定のお客様や目的のために確保しておくこと
です。
例えば、倉庫に製品Aが100個あるとします。
製品Aの在庫:100個
A社から、
「来週50個注文する予定なので、確保しておいてください」
と連絡がありました。
そこで、100個のうち50個をA社向けとして確保します。
現在庫:100個
A社向け取り置き:50個
自由に使える在庫:50個
この「A社のために50個を使わずに確保しておくこと」が取り置きです。
一言で表すなら、
「在庫をよけておくこと」
と考えると分かりやすいでしょう。
取り置きをしても、商品が出荷されるわけではありません。
例えば、
現在庫:100個
取り置き:50個
という状態を考えてみます。
倉庫には、実際に100個の商品があります。
取り置きした50個も、まだ倉庫にあります。
つまり、物理的な在庫数量は100個のままです。
しかし、50個はA社向けに確保されています。
そのため、新しい注文に自由に使えるのは残りの50個です。
物理在庫:100個
取り置き:50個
自由に使える在庫:50個
このように、
「倉庫にある数量」と「自由に使える数量」は同じとは限りません。
取り置きを理解するうえで重要なポイントです。
取り置きをする理由は、確保していた商品を別の注文で使ってしまうことを防ぐためです。
例えば、製品Aの在庫が100個あるとします。
A社から、
「来週100個注文する予定です」
と連絡がありました。
しかし、何も管理せずに在庫をそのままにしていたとします。
その後、B社から100個の注文が入りました。
担当者が在庫を確認すると、
現在庫:100個
と表示されています。
そこでB社へ100個を出荷しました。
すると、在庫は0個になります。
その後、A社から正式な注文が入りました。
しかし、A社向けの商品はもうありません。
このような問題を防ぐために、
A社向け取り置き:100個
として在庫を確保しておきます。
取り置きによって、
「この在庫は他の用途に使わない」
という状態を作ることができます。
取り置きと引き当ては非常によく似ています。
どちらも、
在庫を特定の目的のために確保する
という点では同じです。
ただし、実務では使われる場面が異なることがあります。
引き当ては一般的に、
受注や製造指示など、システム上の正式なデータに在庫をひもづける処理
を指します。
例えば、
受注番号:J001
商品:製品A
数量:50個
という受注があります。
この受注J001に対して在庫50個を確保します。
受注J001
↓
在庫50個を引き当て
これが引き当てです。
一方、取り置きは、
正式な受注や指示がまだ存在しない段階で在庫を確保する場合
に使われることがあります。
例えば、
A社から電話
「来週50個注文する予定です」
↓
A社向けに50個取り置き
というケースです。
まだ正式な注文は登録されていません。
しかし、営業担当者の判断などで在庫を確保します。
このような処理を取り置きと呼ぶことがあります。
つまり、
引き当て = 正式な注文や指示にひもづけて在庫を確保する
取り置き = 特定の相手や目的のために在庫をよけておく
と考えると分かりやすいでしょう。
ただし、この区別は会社やシステムによって異なります。
取り置きした在庫を、いつまでも確保しておくと問題になることがあります。
例えば、
現在庫:100個
取り置き:80個
という状態が1か月続いているとします。
システム上、新しい注文に使える在庫は20個しかありません。
しかし、取り置きを依頼したお客様から注文が来ない可能性もあります。
この場合、80個の商品が使われないまま残り続けます。
そのため、会社によっては、
といったルールを設けています。
例えば、
A社向け取り置き:50個
期限:7月31日
として管理します。
7月31日までに注文がなければ、取り置きを解除します。
すると、その50個は再び他の注文に使えるようになります。
取り置きが不要になった場合は、取り置きを解除します。
例えば、
現在庫:100個
取り置き:50個
自由に使える在庫:50個
という状態だったとします。
A社から、
「今回は注文をキャンセルします」
と連絡がありました。
そこで、A社向けの取り置きを解除します。
現在庫:100個
取り置き:0個
自由に使える在庫:100個
物理的な在庫数量は変わっていません。
変わったのは、在庫の使い道に関する制限です。
取り置き中はA社向けに確保されていました。
取り置きを解除すると、再び他の注文にも使える在庫になります。
これまで解説した「客注」や「株出し」と合わせて考えると、取り置きの意味が分かりやすくなります。
株出しは、
通常在庫から商品を出すこと
です。
通常在庫
↓
注文
↓
在庫から出荷
客注は、
お客様の注文をもとに商品を手配すること
です。
お客様から注文
↓
商品を手配
↓
入荷
↓
出荷
取り置きは、
在庫を特定のお客様などのために確保しておくこと
です。
通常在庫
↓
A社向けに確保
↓
他の注文では使わない
つまり、
株出し = 在庫から出す
客注 = 注文に合わせて手配する
取り置き = 在庫をよけておく
と考えると、それぞれの違いが分かりやすいでしょう。
製造業や販売管理における取り置きとは、
在庫を、特定のお客様や目的のために確保しておくこと
です。
例えば、
現在庫:100個
A社向け取り置き:50個
自由に使える在庫:50個
の場合、倉庫には100個の商品があります。
しかし、50個はA社向けに確保されています。
そのため、他の注文に自由に使えるのは50個です。
取り置きを一言で表すなら、
「在庫をよけておくこと」
です。
引き当てと似ていますが、一般的には、
引き当て = 正式な受注や指示に在庫をひもづけて確保する
取り置き = 特定の相手や目的のために在庫を確保しておく
という違いで考えると分かりやすいでしょう。
ただし、「取り置き」と「引き当て」の定義は会社によって異なります。
製造業の仕事で「取り置き」という言葉が出てきたら、
「何のために確保している在庫なのか?」
「正式な受注にひもづいているのか?」
を確認してみてください。
在庫が「あるのに使えない」理由が見えやすくなります。
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